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「ネージュ!ネージュ!次はあっち、行こう!!」

ドットに手を引かれ、ネージュは町のあちこちを連れ回される。
ここ数日、こんな事が続いている。
以前からもドットに誘われて二人で出かける事はたびたびあったが、最近の頻度は少し平常ではない。

何か思うところがあるのだろうか?
先日の任務の件で心配をかけさせてしまっただろうか?







「はい、これネージュのぶん!」

そう言ってドットは、そこの売店で買ってきたオボンジュースを差し出してくる。

「ありがとうございます」

「これ、美味しかったからネージュにも飲んで欲しかったんだー!」

ドットは屈託の無い笑顔で答える。
それにつられるように、ストローに口をつけジュースをすする。
…美味しい。フレッシュなオボンの風味が口いっぱいに広がる。

「これは…!本当に美味しいですね」

「だろー!?きっとネージュにも喜んでもらえると思ってさ!」

「私を、喜ばせようとしてくれたのですか?」

「うん!だってネージュ、あれから落ち込んでて元気ないみたいだったから…美味しいもの食べたり、色んなところに出かけたりして、少しでも気分転換になればいいなぁって…」

やはり。先日の一件で心配させてしまっていたのか。
パートナーに気を揉ませてしまうなんて、自分もまだまだだなと感じた。

「…ありがとう、ドットくん。けれど私は、落ちこんでいたわけではないのですよ」

「えっ?ホントに?」

「あの時異界人の方に言われて、自分はまだまだ視野が狭いんだなって、傷ついた異界人や、異界人を虐げる先住民がいる事に気がつかなくて、考えようともしていなかったんだなって…そんんな自分を恥じて、反省していたんですよ」

「そうなのか?大丈夫だったか?」

「えぇ。…けれど、ドットくんのお気遣いはとても嬉しかったですよ。ありがとう」

「…!えへへ、どういたしまして!」

ドットと顔を合わせてニコリと笑う。自分の思いが通じたようで何よりだ。

「…さて、パートナーにも心配をかけてしまったし、いつまでも沈んではいられませんね」

自分の頬をぴしゃりと打つ。心機一転、今日からまた前を向いてがんばろう。
そう心に決めた。

「ところでドットくん、次はどこに行きましょうか?」

「そうだなー、いつものきのみ屋さんにいかないか?ジュースもいいけど、丸のまんまのきのみも食べたくなっちゃって!」

「ふふ、いいですね、行きましょうか」

自分の隣で明るい笑顔を浮かべ、自分のことを気にかけてくれて、自分に元気をくれる。
彼がパートナーで本当によかった。ネージュはそう思ったのであった。

(…とはいえ、今回は彼にお世話になりっぱなしですね…私からドットくんにできる事も、何かあればよいのですが…)

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お借りしました:
ドットくん@りゅーさん
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