忍者ブログ
企画展示室
[113] [112] [111] [109] [108] [107] [106] [105] [100] [101] [99]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「ご注文の品をお持ちしました」

ある晴れた日の正午過ぎ、ガウォート王国のとあるレストランにて。
二人の男性が食事をしながら談笑していた。







「…というようなことがありまして…」

「ほう、それはまた…大変だったのぅ」

ネージュとウータ。どちらも自衛軍ロートに所属する隊員である。
話題のタネはもっぱら、先日赴いたヘルフストゥでの任務。

「私、あの時あの異界人の方に言われるまで、王国に虐げられてきた異界人の存在を、見てみぬ振りをしてきたんだなぁって、思い知らされました」

「ネージュはお人よしじゃからな、あぁいや悪い意味だけではなくな?」

「でも、そうしたお人よしなだけでは見えないものもあるんですよね」

「そりゃあな。わしだってきっと、知らずに何かを見落としてるかもしれんしのぉ」

「そうですか?」

「あぁ」

「…ちょっと、安心しました。私だけじゃないんだなって」

「おぅ、そりゃあどういう意味…」

「でも、こうして気付くことができて、反省するきっかけになってよかったと私は思っているんですよ。あそこで気付かされなかったら、もしかしたらずっと気付かないままだったかもしれませんもの」

「そうかぁ…ま、お前がいいならそれでよかったんじゃないか?」

「えぇ。…そうだ、よろしければウータさんの向かった海上護衛の話も聞かせて頂けませんか?」

「わしの?うーん、あった事といえばそうじゃのう…」

―――昼下がりの時間は、穏やかに過ぎていく。

=====

お借りしました:
ウータさん@みきさん
PR
忍者ブログ [PR]