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企画展示室
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はこのえさんから頂いたSSです。
ファネアさん、架音くん、ヘルくん、セスナちゃんと共演させて頂きました。
本文は追記からどうぞ。

=====






列車が駅へ着く。
 降りてきたのは、一人の少女。
手にはやや大きめのカバン。

3月というのにまだ外は寒い日が続いていた。
 が、今日は珍しく太陽がさんさんと照りレジャー日和だ。

甘味戦隊アマインジャー☆お茶会の巻☆

「あ、ファネア?」
「あ・・架音さん!それにセスナちゃん!」
「ファネア姉久しぶりーっ!!元気だったー?」
「うん、元気元気!セスナちゃんも相変わらずね!」
「ファネア、その頭の包帯・・・」
「え?ああ、これですか?バナナの皮で滑って転んでぶつけただけですって!」

口から出まかせの嘘をつく。
 ・・でも今時バナナの皮はないと思う。
多分それはないと思っているのか、架音は首をかしげる。

「ねぇねぇ、お茶会、どこでやるの?」
「えーと・・ディオネアさんのお家、って聞いてるけど・・」
「じゃあ、早く行こーよー!早くお茶会したいー!」
「・・・架音さん、場所分かりますか?」
「・・・・・・・全然。迎えに来るとばっか思ってた」
「私もです・・。きっとヘルさんはもうディオネアさんのところへ行ってるでしょうね・・」
「だろうね・・あ」
「? どうしたの架音兄?」
「昨日ヘルさんからこんなもの貰ったんだけど、意味わかんなくて」

と、架音が一枚の紙を差し出す。
 ・・・それは地図だった。

「これ、地図じゃないですか・・」
「あ、そうだったの?」
「赤く印がつけてあるところがありますね・・きっとここですよ、ディオネアさんのお家ですね!」
「そうなの?それじゃ早く行こ!」

道中、ショーウィンドウごしに見つめてくるお菓子に気をとられつつ、なんとか目的地へたどり着くことが出来た。
 
「あっ、ヘル兄~!やっほー!!」
「ん?やっと来たか・・遅いぞ!待ちくたびれてたぞ!」
「ヘルさんが早いだけじゃないの・・?」
「そんなことはないぞ!遅刻した罰としてお前らが持ってきたお菓子は俺のものだぞ!」
「え~っ!?それはないですよヘルさん・・・」
「文句を言うな! おーい!ディオネア!!全員揃ったからお茶会を始めるぞ!!」

一行は見晴らしの良いバルコニーへ案内された。



全員が席に着いたところで紅茶が運ばれてきた。
 同時にそれぞれが持ってきた各国のお菓子も並べる。
紅茶からはいい香りがする。結構値段の張るものなのだろう。
 アマインジャーの面々はためらいもなくカップの中に砂糖を入れる。
多分もう砂糖の味しかしない・・と思う。 

「そんなに砂糖を入れたら砂糖の味しかしなくなるだろうが・・」
「アマインジャーだったらこれが普通なんですよ・・!」

と、ファネアがディオネアに微妙な解説を入れる。
 
「お前ら・・その内病気になるぞ?」
「大丈夫ですって!」
「そうそう、だいじょーぶ!」

 ディオネアは呆れたようにため息をついた。
その内お菓子ではなく砂糖の匂いが辺りに立ち込める。
 
「どうしたディオネア?甘いものは嫌いか?」
「・・そうではないが・・」
「だったら砂糖入れてあげようか?」
「断る」

「セスナちゃん、そのお菓子は?」
「んっとねー・・“だがし”って言うんだって!甘くないかもしれないけどおいしーよ!」
「へぇー!変わったお菓子ねー!」

持参したお菓子のほかにも、高級そうなお菓子が運ばれてきたりした。
 ディオネア以外は皆不思議そうな顔をしてほおばったが、もちろん甘く美味しいのですぐになくなった。

砂糖がたっぷり入った紅茶をいただき、甘いお菓子をほおばりながら彼らは他愛も無い会話に花を咲かせていた。

電話が、鳴るまで。

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