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うらみ つらみを わすれて
次への しあわせ 願おう
やさしさを しあわせを だいて
ねぇ?
「…いい歌、だな」
聞きなれた声に思わず反射的に振り返る。
其処にはよく見知った仲間であり、恋人の顔があった。
「聴いていたのか」
既に寝てしまったとばかり思っていたから驚いた、と俺は話した。
「子守唄か?」
「あぁ。オヤシロにせがまれたんだ」
そういうと自分の膝の上で眠るオヤシロをそっと撫でる。
いきなり話しかけて俺を驚かせた張本人である彼、ユグラドはすぐ隣に腰を下ろす。
「この歌」
「?」
そっと口を開く。
普段は寡黙な方だと自負しているのだが、相手が恋人となると流石に少し口数も多くなってしまうようだな。
「昔、母さんによく歌ってもらっていたんだ。小さい頃は、歌詞の意味なんて分からなくて、ただあやして寝かしつけるだけの歌だと思っていたんだが」
「違うのか?」
少し、悲しいような、寂しいような心持ちになった。
けれど、あまり表情が変わらないとよく言われる俺の事だ。自分で思っているほど顔には表れていないだろう。
「この歌は、死者の魂に安らぎを与え、慰める歌なんじゃないかと。そう思った」
「…所謂、『鎮魂歌』というヤツか?」
あぁ、と答える。
「上手く言えないんだが、歌詞が寝付けない子供に、と言うより成仏できない死者に、とも取れないか?
つぎへのしあわせ、とか、憎しみたちをわすれて、とか。成仏できずに苦しむ死者の魂を慰めるような、そんな詞だと思ったんだ」
「・・・」
そう思うようになったのは、死んだ母の葬儀の日。
母に歌ってもらった優しい歌声を思い出しながら、オヤシロを抱きしめ、涙ながらに歌った記憶がある。
きっと辛い死の瞬間であっただろう、母へ捧げる為に。
「俺は、もう一つ意味があるようにも思えるんだが」
「もう、一つ?」
黙って俺の話を聞いていたユグラドが、突然口を開く。
「受け継がれる命、次の世代、そうした者達の幸せを願う歌でもあるんじゃないかと思ったんだが、どうだろうか?」
「言われてみれば、そんな感じもするな」
きっと、全てが正解で、全てが違うのかもしれない。
それでも、この歌がとても優しいのは変わらない。
「…俺達も、そろそろ寝よう」
「子守唄を歌ってやろうか?」
「馬鹿を言うな、俺はもう子供じゃない」
=====
エレジィは歌が上手いけど、その歌声はどこかもの悲しいという裏設定。
ガラガラはさりげなく遺伝で「ほろびのうた」を覚えたり、XDでスナッチできるカラカラが通常覚えない「うたう」を覚えていたりするらしいです。
そこから付いた設定。でも人に聴かれるのは少し恥ずかしい。
あと正直ユグラドさんのキャラを上手くつかめてる気がしない。間違ってたらごめんなさい。恋人様なのに…
勝手ながら、こちらの動画につけられていたコメントを一部拝借させて頂きました。
アイデアの元にはさせて頂きましたが、あくまで文中の歌とこの動画の曲は無関係です。
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