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企画展示室
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巨神事件もどうにか収拾し、その後シャマイム国王と側近のノチウの会見と慌しい夜が明けた後も、両自衛軍はてんやわんやだ。
その話題の中心にあるのは、『ウラガワの世界』へと繋がる穴の事だ。
各バディ、主従の異界人の中には、これを期にウラガワの世界へと戻る者もいるようである。
勿論、こちらの世界に留まる異界人も少なくは無いようだが…

…いつかこんな日が来るかもしれないと、頭では理解していた。
ずっと一緒にはいられないだろうと、分かってはいた。
それでも、自分は彼の意思を尊重したいと思った。
この世界に残るも、生まれ故郷に戻るも、決めるのは彼だ。

そう覚悟して、彼に話を切り出した。



「俺?俺はこっちに残るよ!だってネージュと一緒の方が楽しいし!」

「え…えぇえっ!?」

あまりにもあっけない返事に、思わず変な声が出てしまった。
迷いも躊躇いもなく、彼はあっさりとこう返してきたのだ。

「本当にいいのですか!?あの大穴が閉じるまで残り数日…穴が閉じたらもうこちらからウラガワの世界へは戻れないのですよ!?」

「うん、知ってるぜ?それがどうかしたか?」

「未練とか…ないのですか?故郷とか、家族とか、そういったものに…」

「俺、妖精の群れの一匹みたいなものだからさ、家族とかそういうのはいないし…それにさっきも言ったけど、こっちでネージュと一緒の方が向こうにいるよりずっと楽しいからさ!」

「えぇえ…」

あまりにもあっけらかんとしすぎている。しかし、こちらに気を遣って…などという事はなさそうだ。
これはきっと、彼が自身の意思でもって決めた強い決意なのだろう。

正直に言うと、安堵した。
この、小さくも頼れる友人であり相棒である彼が、これからも自身と共にいてくれる事を選んでくれた。
まだまだ彼と一緒にいられるという、その事実に。

「…?どうしたんだよ?呆けた顔して」

「…いいえ、なんでもありませんよ。ドットくん、私と一緒にいてくれる事を選んでくれてありがとうございます。これからも…よろしくお願いしますね、相棒!」



「うん!これからも、よろしく!!」

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お借りしました:
ドットくん@りゅーさん
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